日中韓スターパス、知ってる?

スターアライアンスには、「スター アライアンス日中韓周遊運賃」というパスがある。


これは、日本・中国・韓国のいずれかの国から出発して、残りの二カ国を周遊して出発した国に戻ってくるというパスである。

国際線3区間、それぞれの国で国内線を2区間搭乗できる。日本と韓国と中国にそれぞれ用事があるときに便利なパスだ。

スターアライアンスに加盟した航空会社を自由に選択でき、旅程の合計マイルが4800マイル以下の料金と、6600マイル以下の料金の、2種類のパスがある。

しかし、日中間で運行している航空会社は基本的には4社だ。つまりANA,アシアナ、中国国際航空、そして最近スターアライアンスに加盟した深圳航空だ。それから珍しく一部区間においてはタイ航空も利用できる。

それぞれ、エコノミークラス用、ビジネスクラス用、ファースとクラス用が用意されている。

韓国ではアシアナ航空が「韓中日スターパス」という名前で売り出している。


さて、一見、面白そうなパスだが、実際に予約の時点からものすごく面倒くさく規制が多いパスだということがよくわかった。

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ネットでの案内などではあまり詳細に書かれていないのだが、国際線から国内線に乗り継ぐのは最小乗り継ぎ時間の規定が適用されるが、国内線から次の国内線に乗る場合、24時間以上、経たなければならない。即ち、国内線区間は日帰りができないのだ。

また、旅程のマイルをいちいち合計して、4800や6600マイル内に収まるように組み立てなければならない。
特にマイルを稼いだり、プレミアムポイントを狙う場合は、1マイルでも多く乗りたいわけだから、上限ぎりぎりの旅程でにらめっこになる。

それから、それぞれの路線において、希望する日時のフライトに空席があるかどうかも確認しておかなければならない。
これはなかなか大変で、実際は、幾つかの旅程を考えておいて、予約時に空席のある旅程で決めてしまうのがいいだろう。

それから、実際に旅程を決めて予約を入れても、全ての旅程が一度で予約完了になることは希である。どこか一区間で予約ができなかったり、満席だったりすることは日常茶飯事だ。

アシアナで予約してみてわかったことだが、ANAの子会社(エア日本など)が運航する国師線の路線は、アシアナでは予約できなかった。

あと、最初に出発するフライトは、購入する航空会社と同じ会社を指定しなければならない。たとえば、アシアナでこのパスを買う場合は、最初のフライトはアシアナに搭乗しなければならない。

それから陸での移動もマイル計算に含まれてしまう。飛行機に乗らなくても陸での移動区間があれば、その分、合計マイルに追加されてしまうのである。(たとえば、香港で降りてマカオから乗る場合、香港~マカオの間の距離もマイル計算に含まれてしまう)

ANAで買う場合は最初のフライトはANAでなければならないが、ANAの日韓線は金浦(キンポ)~羽田線しかないので、ANAから買う場合は最初の区間は必ず羽田行きになってしまう。

いずれにしろ、予約するまで根気よく調べて臨機応変に路線を工夫しながら進めないと予約できないパスである。

特記する点として、台湾やマカオも含まれるということだ。もちろん香港にも行ける。

あと、ビジネスクラスであれば、中国の国内線のファーストクラスの予約ができる。マイル積算は基本マイルの150%になるのでお得だ。

しかし、ビジネスクラス用では、日本の国内線はプレミアムシートの予約はできない。即ち、ワーストクラス用でなければ、ANAの国内線のプレミアムシートには乗れないのだ。

さて、気になるマイルだが、エコノミークラスで発券する場合は、Bクラスで予約される。

2013年の3月末まで、ANAではBクラスの参拝積算率が70%だったが、4月から100%に変わった。おまけに搭乗ポイント400ポイントも付くようになった。
ANAのマイル積算率が改悪されたという声は多いが、このスターパスを利用する場合には改善されたと言えるだろう。

私は、3月以前だったため、ビジネスクラスのパスを購入して利用した。


ところで、このパスのファーストクラス、使い勝手はどうだろうか?

初めは興味本位にファーストクラスの購入を検討してみた。

しかし、韓国からファーストクラスがあるのはOZ102便の日本行きのみだが、2014年現在、ファーストクラスの販売は行われていない。(2014年6月より、アシアナがA380便を仁川~成田路線に投入するが、そのときにはファーストクラスが復活するらしい。HPではファーストクラスの予約ができる)

その次の、日本から中国行きだが、こちらはスターアライアンスのファーストクラスはほとんどない。たまに中国国際航空でファーストクラスを運用する機材を運航することがあるが、使い勝手が悪い。

あと、中国の国内線はビジネス用のパスでも利用できる。

日本のANAのプレミアムクラスは、他の記事で書いたエコ・パスやスターアライアンス・ジャパンパスなどを買って、当日8,000円払ってアップグレードした方が安上がりだ。(税別)

要するにファースとクラス用のパスを買うメリットはなしという個人的な結論を出したわけだ。

ちなみに、北京から香港までの国内線は、ジャンボ機で運航する場合は、ビジネスクラス以外にファーストクラスも装備している。しかし、ビジネスクラス用ではファーストクラスの予約ができなかった。北京・香港は基本マイルが1200マイルだが、このファーストクラスに乗るのだったらファースとクラス用のパスを購入してもいいだろう。でも費用的にはそれほどお得感はないと思うが。

ANAのマイルを貯めるなら、国際線路線でANA便を利用することだ。

成田~成都路線が、東アジア路線で一番長い路線となる。しかもANAに乗ると路線倍率が1.5倍になるのでプレミアムポイントも増える。ただ、問題は、成都を含める場合は、どう計算しても旅程として4800マイルを超えてしまうということだ。

その次のお勧めは香港~羽田路線だ。これに羽田~金浦路線を組み合わせる形になる。

値段だが、日本で買うと高い。中国で買うのが一番安いが、中国から出発して中国に戻らなければならない。日本での購入額は写真の通りである。

韓国出発の場合、4800マイル以内の場合、エコノミー用が約150万ウォン、ビジネスクラス用が約200万ウォン、ファースとクラス用が約270万ウォン。(日本円でいうと、2013年9月現在、13万、18万、24万円)

6600マイルになると、それぞれ、約200万、約290万、約400万となる。(日本円でいうと、2013年9月現在、18万、26万、35万円)

但し、一回登場する度に、別途、サーチャージや空港税などが加算されるので、便数が増えると値段が高くなる。


値段とマイル積算比率を考えると、4800マイル以下のビジネスクラス用のパスがお得である。

中国と韓国を巡って旅や用事がある人は、一度、お試しあれ。







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