自動化ゲートでの出来事

海外出張や海外旅行の際、空港の出入国審査場が混み合ってしまうことがある。


このような場合、「自動化ゲート」を利用することでスムーズに出入国の手続きを行うことができる。

自動化ゲートの案内はANAのホームページに出ている。

自動化ゲート


ところで、わがソウルの支店では、日本に戻るときに、韓国人の職員を連れて行くことがある。

支店に勤務するある社員は奥さんが日本人で、その利点を利用して日本の永住権を取得している。その奥さんは、もと、わが支店に派遣されてきた韓国好きの女の子だった。3ヶ月の滞在予定だったが、その間に結婚の話まで進んでいたらしい。一旦、日本には戻ったものの、すぐに訪韓して結婚へ。韓国に住んで10年以上だ。

また他の社員は在日の人で、ビザなしでも日本や韓国で自由に滞在できる。日本で言えば、「特別永住者」と呼ばれる人である。

それ以外では、韓国生まれの韓国人たち、そして、私を含める数人の日本人が仕事をしている。


以前、私と在日の職員と永住権を持っている職員と3人で日本に行ったことがあった。

私も彼らも日本の自動化ゲートの利用手続きを済ませていた。ところで、韓国の空港にも自動化ゲートがあるが、韓国人しか登録できないらしい。韓国ではこれを「自動出入国審査」という。

「自動出入国審査」を利用して出国手続きを済ませると、航空券には出国審査の捺印は押されないままである。
従って、搭乗ゲートで係の人より必ず「自動審査を受けましたか?」と聞かれるらしい。




さて、ここでおもしろいことが起こった。

羽田に到着して、私と在日の職員は進んで右側にある日本人(特別永住者)用のゲートを利用した。

永住権を持っている職員は、真ん中辺にある「再入国用」の審査台に並ぶか、私たちと正反対の左側にある自動化ゲートを利用することになっている。その日は再入国の審査台が込んでいたので、彼は自動化ゲートを利用するといって反対側に向かった。

私たちは入国審査が終わって荷物を待っているのに、永住権を持っている彼はなかなか現れない。荷物が出てきてからしばらくして息を切らしながら走って来た彼は、指紋印紙記がうまくいかなくて、再入国用の審査台に並んで審査を受けたと話していた。

あまり遅かったので、ムカッとした私は彼に少し厳しく言ってしまった。「なぜ、事前に指紋のチェックをしておかなかったんだ?物事は準備が大事なんだよ」と。彼の過ちでもないのに、言いがかりのような言い方をしてしまったのだ。

自動審査


さて、日本での仕事が終わり、いよいよソウルに向かう日が来た。

羽田から金浦(キンポ)に到着して入国手続きが待っていた。

在日の職員と永住権を持つ職員は、韓国籍なので自動化ゲートを利用して素早く荷物受け取り台に向かっていった。

私は外国人用審査台で順番を待って審査を受けたのだが、外国人登録証の期限が過ぎていてしまったことに気づいた。いろいろと質問を受けて、事情を話して、会社の名前を言って措置をお願いしたら、特例だと思うが、7日以内に韓国の出入国事務所で手続きをしてくださいと言うことで入国が許可された。

ひやっとして荷物受け取り台にたどり着くと、すでに我々の荷物は出ており、彼らもだいぶ待ったようだった。

事情を話して汗を拭いていると、永住権を持つ彼からひとこと。

「副支店長さん、物事は準備が大事なんじゃなかったんですかぁ~」とドスの利いた低い声。そのときはマジでひやっとした。

因果の理法という言葉もあるが、やはり自分でやったことはどこかで巡ってくるものだなと実感した。








韓国語の翻訳がこんなに安いなんて!!