エコノミーなのに、ファーストクラスに乗れる?

「一度でいいからファーストクラスに乗ってみたい。」

 
飛行機が好きな人ならこう思う人は多いのではないだろうか。
 
 
ANAの国際線にはファーストクラスを搭載した機材がある。しかし、これが運航されるのは国際線の長距離便のみであって、国内線で運航されることはない。
 
仮に、国際線の機材が国内線で運航されるとしても、ファーストクラス使用の機材は使用されずビジネスクラスのみだが、ビジネスクラスはプレミアムクラスとして提供されるので、エコノミークラスの搭乗券ではビジネスクラスの座席を利用することはできない。
 
 
ところが、エコノミークラスの運賃でファーストクラスの座席に座れることがあるとしたら信じられるだろうか。もちろん、日本ではなく韓国での話である。


実は、アシアナが運航する韓国のある国内線区間では、国際線使用の機材を投入するため、ファーストクラスを搭載した機材が運航されることがある。そして、その場合、アシアナの上級メンバーであれば、このファーストクラスの座席に指定してもらうことができるのだ。
 





その区間とは、仁川(インチョン)~済州(チェジュ)区間である。
 
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よく知られている通り、韓国のソウル~済州期間は過密区間であり、土・日は例外なく満席である。
 
10年ほど前、アシアナの国内線には「ビジネスクラス」が存在していた。ビジネスクラスといっても座席が少し広いだけで、機内サービスはエコノミーと同じである。値段は、エコノミークラスより1万ウォン(約900円)ほど高いだけだった。
 
当時、アシアナの国内線は、マイルが一律500マイル貯まるという画期的な時代だった。韓国の国内線はどの区間も500マイル貯まるし、国内線のビジネスクラスに乗っても同じく500マイルだけ積算されていた。(いまは、マイルの最小区間は、ソウル~光州(カンジュ)の170マイル、最大でもソウル~済州が280マイルである)
 
ところで、アシアナ側からすると、満席の場合の国内線のビジネスクラスよりは、エコノミークラスで一人でも多く乗せた方が利益になるという計算が働いたのだろう。
「国内線の座席を一席でも多く提供することがお客様のためになると考えて」という建前で、あるとき、突然、国内線のビジネスクラスを撤廃してしまった。
 
ということで、アシアナの国内線はすべてエコノミークラスで運航されているのである。
 
しかし、現実には国際線の機材を国内線で運航することもあり、運が良ければアシアナの上級メンバーはビジネスクラスのシートに乗ることができる。しかし、アシアナの内部情報を知らないと、何日の何時のどの路線に国際線使用の機材が投入されるのかはわからない。
 
反面、先述した仁川~済州路線は、現時点では国際線仕様のB777がよく投入されている。アシアナの国内線がA321かB737が主流であるのに対して、この差はすごい。
 
そして、ファーストクラスを持つ機材が運航される際には、上級メンバーはファーストクラスの座席に指定されるのである。
 
 
この区間で何回かファーストクラスの座席に座らせてもらったことがある。シートベルト着用サインが消えたらすぐに座席をフラットにして横になると実に気持ちがいい。
 
途中で飲み物のサービスがあるが、いちいち起きなければならないので、飲み物は飲まないで寝ているほうが快適だ。その代わり、飛行機に乗る前にラウンジで十分に水分補給をしておく。
 
残念ながら、シートベルト着用サインが消えて、再び着陸態勢に入るまで35分ほどしかない。気持ちよく横になっていて眠くなる頃には着陸準備で座席を元に戻さなくてはならないのである。
 
また、モニターは備え付けられているが、機内音楽サービスやビデオ番組のサービスは利用できない。ファーストクラス仕様でも国内線で使用されるときは、ヘッドホンは置いてない。
 
ちなみに、ファーストクラスのある機材にはビジネスクラスも備わっていて、こちらの座席に指定される乗客もいる。アシアナの準上級会員やスターアライアンス・ゴールドメンバーなどである。但し、ANAのダイヤモンドメンバーは、ファーストクラスシートに案内されることもあるらしい。(私はアシアナの最上級メンバーなので、予約した時点で最上級メンバーとして認識されている)
 
座席は違ってもすべてはエコノミークラス扱いだから、通常の国際線のように運行中、各クラス間のカーテンは開けたままである。だから、最前方で寝転んでいると後ろからの視線が気になることがある。
 
もしANAのダイヤモンドメンバーであるならば、一度、この区間に乗ってみることをお勧めしたい。







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