アシアナラウンジの予約席は誰が使う?

アシアナのファーストクラスラウンジには、「レザーブド(予約席)」という案内が置かれたテーブルがある。


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他の席に比べて、数人が座れる上に、椅子も座り心地がいい。
 
普段は誰かが使いそうな気配もないので、私もよく利用している。
 
あるとき、この席に座っていると、「予約席なので、これから使用しますので、他の場所に移動してください」と言われた(初めは韓国語で言われたが、よく聞き取れなかったら、英語で言われた)。

仕方がないので、近くの席に移動して、誰が座るのだろうと思って見ていた。
すると、数名の遂行者と共にお偉いさんらしき人がラウンジに入ってきた。
感じからして会社の重役か代表者のようだった。
「お偉いさんの接待かな?」と思った。 





本を読むふりをして耳を立てていると、片言で聞こえる韓国語からしてどうやらアシアナ航空のお偉いさんらしい。しばらく聞いていると、やはりアシアナのお偉いさんだった。
 
アシアナでは、お客さんが使用するラウンジを、自分たちのお偉いさんの打ち合わせ場所として使用するらしい。そのための場所を確保するために普段から「予約席」という案内板を置いているわけだ。

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本来は、お客さんを優先しなければならない施設であるにもかかわらず、自社のお偉いさんたちを優先したということだ。
 
 
また、こういうこともあった。
 
アシアナが満席で、ビジネスクラスにアップグレードしてもらったとき、隣に座ったお客さんに対して、CAたちがやけに気を遣って配慮したり、しきりに挨拶に来るのだった。
 
CAの語るその乗客の肩書きは、「課長さま」(韓国では肩書きの後に「さま」とつけることが多い)という呼び方だった。
 
韓国では「課長」クラスぐらいではそれほどお偉いさんではなく、課長クラスの人物にCAがぺこぺこすることはない。何か変だなと思いながら、その「課長さま」に注目していた。
 
飛行機が離陸して、隣の「課長さま」が書類を出して読み始めた。新聞を読むふりをして内容を見てみたところ、アシアナ航空の英語の内部書類だった。
 
「なるほど。内部関係者だったんだな。それでCAたちが一生懸命にご機嫌を取りに来ていたのか」。
 
ようやく謎が解けた。
 
この二つの出来事から結論を出すのは早いかも知れないが、私としては「アシアナ航空は、お客様より、自分たちの内部の人間を優先する会社である」と思った。
 
先般のサンフランシスコの事故におけるアメリカの調査報告を見ても、なんとなくそんな感じがするのである。
 
お客の前で、露骨に内部関係者を優遇する姿を見せつけるのは決して得策ではないと思うが、注意深く観察しているお客さんもいるということは知っておいた方がいいだろう。
 
アシアナは、日本のお客様の目は厳しいということに気づいた方がいいのではないだろうか。
 







韓国語の翻訳がこんなに安いなんて!!